相場動向

ニュースサマリー:大統領候補討論会、方向感のないマーケット、GAFA解体論

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大統領討論会

最後の大統領討論会が終わりました。やや無難すぎて、面白みに欠けました。そう感じた理由は、お互いの問題点を鋭く突いて、議論を活性化するような流れにならなかったからです。

トランプ氏はバイデン氏を、息子のハンター・バイデン氏のウクライナ問題のことで徹底的に追求することができませんでした。

この問題自体は単なるスキャンダルですが、この問題を徹底的に追求すれば、お互いのロシアや中国への外交政策への考え方が明るみに出て、面白い展開になったように思います。しかし、そのような話にはなりませんでした。

他方、バイデン氏はトランプ氏を、自身も新型コロナに感染し、ホワイトハウスでもクラスターを発生させたことで、認識の甘さを露呈した点をほとんど追求できませんでした。

もしこの急所を鋭く突けば、バイデン氏も反撃にあい、お互いの具体的な新型コロナ対策を詳しく説明せざるを得ない展開になったと思います。しかし、そうはなりませんでした。

前回の討論会はひどいものでしたが、両者のパーソナリティをさらけ出した点で、実りがありました。今回は、あまりに普通すぎ、無難すぎ、議論も浅すぎたため、有権者に新たな判断材料を提供することができませんでした。ちょっと残念な気がしました。

方向感のないマーケット

今週はずっと、方向感のないフワフワした相場が続いています。ただ、特徴をあえて一つ挙げるとすると、長期金利が上がってきています。しかし、ダウ平均、SP500などを見ると、特に軟調な印象は受けません。そのため、「方向感がない」と感じている人が多いようです。

米国債10年物

こういう状況では、投資家は二通りの行動を取るようです。何もしないで現金比率を上げて静観、待機するというのが一つです。確かに、いつドカンと暴落してもおかしくないので合理的な判断だと思います。

他方で、もう一つの態度は、慎重に構えつつも、買いに行くというものです。ちなみに、私はこちらの判断を取り、昨晩は、決算直後のテスラ(TSLA)と、少し下がったズーム(ZM)を買い増ししました。

来週後半にはGAFAMの決算が控えていますが、今と同じ雰囲気が続いていて、決算結果が良ければ、これらの銘柄も前向きに検討したいと思っています。

私が、このように「慎重に構えつつも、買いに行く」スタンスを取る理由は、おそらく短期ではなく、中長期の取引しかしないからかもしれません。

今回の大統領選では、本当に誰が勝つか分かりません。さらに、大統領がすぐに決まらないリスクもあります。しかし、年明け以降の3ヶ月位のスパンで考えると、今よりは相場の見通しが改善するので、この時間軸で考えれば、積極的に動いた方が良いように考えています。

GAFA解体論 米政府敗北の可能性も

先ほどGAFAMの決算発表に触れましたが、「GAFA解体論」については、注意を要するものの、1年未満のスパンでは株価にあまり影響しないように考えています。また長期的にとらえても、最終的に政府側が裁判に敗訴する可能性もあるように考えています。

このように考えるに至ったヒントの一つは、グーグル(GOOGL)が司法省に提訴されたニュースが出たときに、グーグル(アルファベット)の株はずっと上がっていたことでした。

この瞬間は、スナップ(SNAP)の決算発表があったことなど、付帯状況があったとは言え、このグーグルの株価の反応が示唆するところは、この訴訟はグーグルに実質的な影響を与えない、もしくは最終的には政府が敗北するかもしれないということでした。

このように推論したのには、いくつか理由もあります。一つは、グーグルのビジネス・モデルが不当だと考える人は、一般にはそれほど多くないのではないかということです。確かに、グーグルは広告事業で膨大な利益を上げていますが、それが検索エンジンのメインテナンスや改善に使われているのであれば誰も反対しないように思います。それだけ万人が、この固有のサービスに依存し、評価しているからです。

また、米司法省の提訴理由に、何ら目新しい論点がないのも気になりました。あまりに通り一辺倒だということです。さらに、なぜこのタイミングで提訴するのかという点も不自然に感じました。

これらを総合すると、そもそも米政府は本気でグーグルと戦うつもりがあるのか疑問に感じました。GAFA解体論には引き続き注意が必要ですが、本当に各社の事業分割に至るのかは疑わしいところもあります。

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