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米国株投資で考えておくべき大統領選をめぐる3つのポイント

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今年の11月3日、米大統領選挙が実施されます。

現職のトランプ氏に、民主党のジョー・バイデン氏が挑む構図になっており、今のところバイデン氏が優位で推移しています。

そのようなわけで、今回の米大統領選挙の注目ポイントとして、以下の3つのポイントを取り上げたいと思います。

  1. 不正選挙になるかもしれない
  2. 副大統領候補はどんな人?
  3. 市場へのインパクト

1.不正選挙になるかもしれない

ちょっとびっくりするかもしれませんが、前回の大統領選でも、ロシア政府がヒラリー・クリントン陣営に対して秘密工作を行い、トランプ氏を優位に導いたという疑惑が取り沙汰されました。米メディアでは、この問題がまた取り上げられています。

米国の覇権を快く思っていない国は、米国を弱体化させたいと思っていますから、自ずと米国に混乱をもたらし、国力を低下させる人物に大統領になってもらいたいと思っています。

ただ、動機として理解できても、実際に外国が米国の国内選挙に対して裏工作をするというのは、日本人から見たら異様に映るかもしれません。しかし、もともとこうした裏工作は米国のお家芸でした。

冷戦時代に、米国が中東、南米、東南アジアの諸国で裏工作や政府の転覆をやったことは有名ですし、今もベネズエラなどで似たようなことをやっていると言われています。

強大な米国が、こうした裏工作の犠牲になるのは違和感がありますが、近年、こうした問題が起きるようになった背景には、当選の見込みが薄い候補者が自ら、裏工作をやる外国を招き入れて、自身を当選させるように仕組んだ事情があると言われています。

米国のメディアでは、今回の選挙でも同じことが進行中と報じられています。米国株の投資家にとっては、今後の心積もりとして、短期間で候補者の支持率が急変する可能性がある、事前の世論調査と違う選挙結果になる可能性がある、開票結果をめぐって米国内が深刻な分裂状態、政治的混乱に陥る可能性がある、といったシナリオを想定しておくことが必要かと思います。

2.副大統領候補はどんな人?

今回の大統領選の対決の構図を一言でいうと、高齢対決だということです。トランプ氏は74歳ですし、バイデン氏は77歳です。

そこで大変不謹慎な話ですが、万一の場合に大統領に昇格する副大統領候補のことも知っておく必要があると考えています。

トランプ氏が再選された場合、副大統領になるのは、現職のマイク・ペンス氏です。ペンス氏は、元下院議員、元州知事の経歴を持つプロの政治家です。

筋金入りの保守、自由主義者で、トランプ氏のようなビジネスマン特有の柔軟性もなく、中国や北朝鮮に対しては、トランプよりも強硬です。そういう意味で、外交では敵と味方をはっきり区別する傾向があるように見受けます。

経済政策など、内政については未知数ですが、政治経験が長いので、もし大統領になったら、トランプ氏よりも常識的かつ穏健な手法を取るのではないかと思われます。一言で言えば、無難な人です。

他方、民主党の副大統領候補、バイデン氏のランニング・メイトは8月上旬に発表されると言われています。すでに内定しているかもしれませんが、まだ何もはっきりした情報は出てきていません。

最も取り上げられる機会が多いのは、カマラ・ハリス氏というカリフォルニア州選出の上院議員です。

女性で、父親がジャマイカ系、母親がインド系の人です。カマラというのは、サンスクリット語だそうです。旦那さんは、ユダヤ系の弁護士の方です。こう言うと何ですが、WASPのバイデン氏とは、良い組み合わせではあります。

カマラ・ハリス氏は、もともとサンフランシスコ市の地方検事、カリフォルニア州の司法長官などを歴任した法律畑の人で、この経歴から、いわゆる政治屋ではなく、有能な行政官であることが分かります。

ただ、経済政策について、どのような考えを持っているのかというのは、よく分かりません。私が調べた範囲では、格差是正、弱者救済のような典型的な民主党の政策をなぞっているだけ、という印象があります。ウォール街とも、特に接点はありません。

あえて特徴を一つ上げるとすれば、気候変動には問題意識を持っているようで、もし副大統領になれば、パリ協定への復帰などを推進するかもしれません。

そのため、もしこの人が将来の米国の大統領になった場合は、気候変動や地球温暖化が相場のテーマになる可能性はあると思います。

3.大統領選の市場へのインパクト

最後に、大統領選のマーケットへの影響を考えてみたいと思います。結論を先にいうと、申し訳ないですが、正直なところ「予測できない」の一言に尽きます。

理由は、4年前を考えてみると分かります。

4年前のトランプの当選直後、経済評論家と呼ばれる人たちは何と言っていたでしょうか。多くの人は、トランプがメチャクチャな人物だから、経済もダメになると言っていました。

しかし、現実はどうだったでしょうか。コロナ問題が顕在化する2月まで、好況が続き、相場も絶好調でした。

トランプ氏はビジネスマンだから経済政策には一家言あった、オバマ政権の置き土産にあずかっただけだなど、いろいろ言われることがありますが、すべて後付けです。

これは、いかに事前の予想が難しいかを示しています。ただ、何も分からないと言っては、あまりに無責任なので、トランプ氏、バイデン氏がそれぞれ当選した場合の市場への影響を少し考えてみたいと思います。

トランプ氏が再選された場合、おそらく国内の分裂と混乱がさらに進み、外交政策にまで手が回らなくなって、世界の安全保障環境は悪化するかもしれませんが、あまり市場に影響は出ないのではないかという気がします。

たぶん、米国の金融市場は、時間の経過とともに少しずつコロナ問題の影響から抜け出して、上向いていくのではないかと思います。

ただし、これには条件が付きます。それは、ムニューシン財務長官とパウエルFRB議長が続投するということです。

この4年のトランプ相場は、トランプ氏自身の政治意思もありましたが、この二人のセンスと良識に支えられたところが非常に大きかったです。

この二人を見ていると、メチャクチャな上司にパワハラされても、それにメゲずに頑張るサラリーマンの悲哀さえも感じ(笑)、どこか励まされます。コロナ問題でも、市場が崩壊しなかったのは、この二人によるところが大きかったと思います。

そういうわけで、条件付きですが、トランプ氏が再選された場合、意外と投資環境があらためて整えられるのではないかというのが、私の個人的な見立てです

他方、バイデン氏が選出された場合、私は民主党の経済政策の弱点がモロに出てくるのではないかと懸念しています。

具体的に言えば、放漫財政とその副作用です。

もともと民主党は「大きな政府」を志向しており、格差是正などに財政政策を積極活用する傾向があります。

そして、いま米国も世界もコロナ問題の直撃を受けているので、この特有の傾向が、コロナ対策で増幅され、財政支出に歯止めがかからなくなり、財政赤字、累積債務が未知の水準にまで大きく膨れ上がるのではないかと懸念しています。

民主党には熱心なMMT信者もいます。現在の共和党政権も、事実上のMMTをやっていますが、共和党政権がやっている分には、どこか安心して見ていられます。しかし、民主党政権がMMTをやり始めたら、ちょっと心配です。

ちなみに私は、MMTを頭から否定するような原理主義者ではありません。しかし、目標とされるインフレ率2%で、ぴったり財政支出を止められるのかという点に疑義があります。

このあたりを、非常に慎重かつ抑制的にやってくれる政権なら安心して見ていられますが、妙に積極的な政権が舵取りをする場合は不安になります。

つまり、はっきり言えば、バイデン氏が大統領になった場合、同時に実施される議会選挙の結果にもよりますが、デフレから一気に空前のインフレに振れるようなイベントが発生するのではないかという懸念があるのです。

そんなわけで、私は個人的には、トランプが再選された方が、投資環境がうまく整えられるように思っています。

ただ、国内の混乱は悪化するので、外交に手が回らなくなり、日本にとっては北朝鮮問題のような地政学リスクが大きくなる可能性はあると思っています。

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