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長期投資は、全世界型より全米型

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全世界型投資のリスク

当サイトのサブタイトルにある通り、私は米国株への投資を志向しています。しかし、リスク管理の観点から、運用のコアの部分は、国もセクターもできるだけ分散したいので、VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)を主軸においてきました。しかし、この方針をやめようかと思っています。

理由は、最近の中国の動きです。

最初に断っておくと、私は中国が嫌いとか、そういうことは全くありません。歴史的にみた中国という国は、尊敬に値すると思っているし、日本の政治制度や文化は、中国に起源を持つものがたくさんあります。

また、20世紀初頭から中盤に至る日本の中国に対する振る舞いには、本当に申し訳ない気持ちがあります。そして、何よりも中国の人たちとは、仲良くやっていきたいという思いがあります。

しかし、最近の中国政府は一線を越えてしまったと思います。具体的には香港の問題です。

香港のことについては最近の投稿、「香港問題における「二重のねじれ」」に詳しく書いたので、こちらに譲りますが、香港問題は、中国政府にとって大きな分水嶺でした。

高度な政治判断でソフト・ランディングさせる余地があったのに、国家安全維持法の施行という、あえて後戻りのできない道を選びました。これで、米国との対決の構図が決定的になってしまったと思います。

経済圏同士の競争が始まる

中国は、おそらく7-8年後にはGDPで米国を抜き、世界一の経済大国になります。また、IT分野での技術力もあるので、中国指導部は、米国と対決しても勝てると踏んだのかもしれません。

たしかに、米国と中国が一対一で対決したら、中長期的には中国は米国を凌駕するかもしれません。

しかし、この経済競争は、一対一の戦いではなく、全世界のサプライチェーンを再編成しながら、米国の経済圏と、中国の経済圏が対決する同盟間の経済競争に発展します。それぞれの経済圏に、どのような国が入るか見てみましょう。

中国の経済圏には、アフリカの多く国々と、反米的なイラン、トルコなどが入るでしょう。

他方、米国の経済圏には、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、カナダの事実上の諜報同盟である「ファイブ・アイズ」の各国、ならびに、日本、韓国、フィリピン、インドネシア、マレーシア、タイ、メキシコ、ブラジルなどが入ってくるでしょう。

EUは少し複雑です。ドイツは中国と友好関係にあり、フランスは常に独自色を打ち出すことを好みます。しかし、EU全体の利害得失を考えたら、米国の経済圏に入る以外の選択肢はないでしょう。

もうこれ以上、説明する必要までもなく、勝負の行方は決まっています。ロシアは分かりませんが、どうなったとしても、その経済規模からして大勢に影響ありません。

長期投資の観点から米国株一択か

かつてロシアは、ソ連邦として45年間、米国と対決していました。

いまでは考えられないかもしれませんが、一時は技術力で米国を抜き、GDPこそ大きくありませんでしたが、初期の頃にはソ連が冷戦に勝利するという観測もあったのです。

米ソ冷戦と米中対決を単純比較はできませんが、このような超大国同士の対決は、一対一ではなく、必然的に同盟間競争になること、軍事力が大きすぎるので、逆に軍事衝突は起きず、あくまで経済競争で勝負がつくこと、といった点は共通しています。

そう考えると勝負は決まっており、長期投資の観点からは、中国株式を長期保有することは、とても合理的な判断とは思えません。

私は中国という国が嫌いだということは全くないので、この状況は非常に残念です。しかし、投資の方向性を考えたとき、そういう結論を出さざるえないという、そういうお話です。

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