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2020年 大統領選挙 実は大統領がどちらになるかは、どうでもいい?

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大統領がどちらになるかは、どうでもいい?

日本時間の11月6日17時現在、米大統領選挙は、まだ結果が確定していません。当初は、トランプ優勢と報道され、いまではバイデンでほぼ決まりと言われています。

ただ、ネバダ州は開票率84%で1ポイント差なので、もしこれが逆転すれば、まだトランプ当選の可能性はあります(下図参照)。

Source: Wall Street Journal

ネバダ州では、カジノがあるラスベガスとリノだけバイデン支持になっています。これは、トランプ大統領が新型コロナ対策で十分な誠意を見せなかったことで、飲食業、娯楽業の人たちの恨みを買った結果とも言えそうです。裏を返せば、トランプ大統領は、新型コロナ対策でもっと誠意を見せていれば、当選を確実にしていたという見方もできます。

ただ、こう言っては元も子もありませんが、米国株投資にとっての最大の焦点は、大統領が誰になるかではありません。究極的には、大統領が誰になるかは、大きな問題ではないのです。では、最大の焦点は何のでしょうか。それは議会選挙の結果です。

議会が「ねじれ議会」であることが大事

毎回そうなのですが、大統領選挙の時は、上院の3分の1、下院の全議席が改選され、議会の勢力地図が変わります。

先ほど、今回の選挙の最大の焦点は議会選挙の結果と言いましたが、その理由は議会が予算権を持っているからです。

通常、どこの国でもそうですが、立法府というのは、法律を制定する権限、国家予算を決定する権限を持っています。米国の大統領は、大統領令を通して絶大な権限を振るいますが、予算を決める権限はありません。

ですから、議会が上下両院で、同じ政党が過半数を獲ると、税制、健康保険、環境政策などで、かなり好き放題のことができ、経済情勢や金融市場に多大な影響を与えます。

そのため、金融界、投資家たちは、毎回、財政政策に積極的な民主党が、上下両院で過半数を獲ることを警戒してきました。そうなると、増税をはじめ、積極的な財政政策が立案され、金利が上昇し、株式相場が冷え込む恐れがあるからです。

だから、金融界、投資家たちにとって最善のシナリオというのは、上下両院で、違う政党が過半数を獲る「ねじれ国会」が実現することでした。こうなると、積極的な財政政策を取りにくくなり、今で言えば、現在の金融相場が続く公算が高くなるからです。

現在、議会選挙も結果が確定していませんが、上院は共和党、下院は民主党が過半数を獲る可能性が高い情勢にあります。これは金融界、投資家たちが描いていた理想のシナリオと言えます。米国株に投資する身から見ても、ホッと一息と言っていい情勢です。

下図では、共和党と民主党が数の上で同数になっていますが、未確定の州の集計状況は共和党がほぼ有意差を持って優勢になっており、そのため「ねじれ議会」が実現することが確実視されています。

※この記事を書いた直後に、ジョージア州の2議席が決選投票となる見込みとなり、11月7日朝の時点で、共和党が上院の過半数を獲れるかどうかが分からなくなりました。結果は、1月5日の決選投票まで持ち越しとなり、それまでは「ねじれ議会」が実現するかどうか、断定できない情勢となりました(参考記事)。

Source: CNN

FRBがQE継続を約束

以上のようなお膳立てが揃ったため、今後、大事になってくるのは、FRBが量的緩和政策(QE)を維持し、ゼロ金利政策を続けることです。この点は、すでにFRBは9月中旬にも公約しましたが、日本時間の今朝未明に、パウエル議長が改めて、この路線を継続することを言明しました。

これで、今後しばらくの金融相場が担保された形になりますが、課題もあります。それは新型コロナの状況が日を追うごとに悪化していることです。また、大統領選の行方が混沌とすれば、とくに都市部の治安悪化ということも、新たな問題として浮上する恐れがあります。

これら二つの問題が金融市場に、いつ、どのようなインパクトを与えることは読みづらいところがありますが、何事も程度問題であり、過度に状況が悪化すると、想定外の問題が新たに市場にもたらされる可能性があります。ただ、何はともあれ、米国株投資の観点からは、議会が「ねじれ議会」になったことは、最大の朗報です。

※上述の通り、ジョージア州の上院の議席が1月5日の決選投票に付される見込みのため、11月7日の時点では「ねじれ議会」が実現するかは断定できない情勢となりました。お詫びして訂正します。

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