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株式市場の急変時に役立つ6つの緊急対応法

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米国の株式市場が絶好調です。きのうは、ズーム・ビデオ・コミュニケーションズ(ZM)が急騰したほか、グロース株が軒並み好調でした。

しかし来週は、相場の基調が変わることが多いレイバーデー(9月7日)の週であり、気が抜けない状況に差し掛かっています。

このようなときは、市場が急騰を続ける状況と、いきなり急落する事態の両方に、的確に対応できるように事前準備をしておくことが大切です。

そういうわけで、きょうは株式市場の急騰、急落時に、それぞれどのようなアクションを取ればよいのか、改めて考えてみたいと思います。

市場の急騰時に求められる対応

市場が新型コロナの影響を受けた2-3月は暗澹たる気持ちになりましたが、いま米国の株式市場は熱狂しています。

「ロビンフッド」のように手軽に株式売買ができるアプリが出てきたために、若い新規参入者の方も増えましたし、いま日本の大型書店に行くと、米国株の本が平積みになっていたりするので、そこからも多くの人が新たに米国株に始めたことが分かります。

このように、多くの市場参加者と、米政府の経済支援策に支えられて、米国株式市場は大変な活況を呈しているわけですが、こういうときに、どういうアクションを取るべきか、主だったものを下記に挙げたいと思います。

新高値株を攻めていく


グロース株の攻略法の一つですが、上がったものはさらに上がるという観点から、新高値を付けた銘柄を、ファンダメンタルズの指標をチェックした上で、決算発表の直後に買い付けるという手法です。

きのうのズームはその典型ですし、テスラやGAFAMなどにも適用できる手法です。新高値を付けるということは、市場の期待を上回る要素が漏れ出ているエビデンスになるので、この手法は派手に見えて、実は手堅いロジカルな手法だと言えます。

利確する


現在、ちょっと市場がおかしいなと思っている人は少なくないはずです。新型コロナ問題は常識が通用しないファクターで、その後の市場の急騰も常識が通用しないファクターです。金融相場と言えば、それまでですが、フラットな状態ではありません。

ましてや、来週はレイバー・デーでセンチメントが急変する可能性は十分にあるので、ここで利確するというのは賢明な選択の一つです。もちろん、今後も青天井になるシナリオはありえますが、今週は利確するタイミングの一つだとは思います。

何もしない

これは本当に何もしないということではなくて、熟考の末、何も行動しないことを選択するということです。具体的に言えば、現在のような市場の急騰時に何もしないのは、急落の瞬間にすぐに売るための準備をすることと同義になります。これは、状況によって利確と損切りの両方のケースがあると思います。

もちろん長期投資の場合は、市場が急騰しても急落しても、何もしないことが鉄則なので、これはこれで別問題として最重要な運用ルールになります。

いずれにしても、人間は外部環境に異変が起きたときに、「何もしない」でいることはなかなかできません。反射的に行動したくなってしまうのです。しかし、そんなときこそ、何もしないことが最善だというのは、多くの人が過去に覚えがあることなのではないかと思います。

市場の急落時に求められる対応

すぐに損切りする

とくにグロース投資の場合、損切りの重要性はどれだけ強調しても、強調しすぎることはありません。すでにそこそこの損失が出ている状態で、市場が急落したら、一般論としては即座に損切りすることが大切です。

損切りは、損失を確定させるので心理的な圧迫がありますが、含み損を膨らませることは、心理的な圧迫がなくても、損切りよりも遥かに恐ろしい危険な行為です。

損切りは機械的に執行することが大切です。いったん損切りのタイミングを逃すと、改めて仕切り直すのに最初よりも大きな心理的負荷がかかるので、一発で決めなければなりません。躊躇すると、その間にも株価はどんどん下がっていきます。

新たに仕込む

多くの投資家が、2-3月の沈滞期に仕込んでおけばよかったと後悔していると思います。私もそうです。

しかし、こういう沈滞期には、「経済に未曾有のパラダイム転換が起きた」とか、「ついに資本主義が終焉を迎えた」とか、この世の終わりのような噂が広がり、どうにも手が出ない状況に陥るものです。

しかし、そういうときこそ、1980年代以降の株価のグラフを見るべきです。未来は、過去の延長線上にあるわけではないですが、ブラックマンデー、リーマンショック、そして今回の新型コロナの急落後の株価の反動を見ると、未曾有とか前代未聞という言葉が、あまり当てにならないことが分かります。

何もしない

損切りの話と矛盾するようですが、これは長期投資をやっている人に特に大事な話です。私も、VT(Vanguard Total World Stock Index Fund ETF Shares)を保有しており、ずっと含み損がありましたが、先月やっと含み損が解消しました。何もしなかったことへの報奨です。

グロース投資の場合は、損切りが非常に大事になってきますが、インデックスやバリュー投資を長期投資でやっている場合、市場の急落時、急変時に「何もしない」ことはとても大事です。

繰り返しになりますが、何もしないことは、何かをすることよりも難易度が高いのですが、投資においては、このことが大事な局面が結構あります。人間は感情で行動してしまう傾向がありますが、相場はその裏をかく動きをすることが多いからです。

結論:あとで後悔しないための準備を今すぐ始めよう

誰にも未来を予想することはできないのですが、今週から来週以降にかけて、市場に大きな変化が起きても全く不思議でないことだけは確かです。

理由は、米国の株式市場が加熱しており、来週がレイバー・デーの週であり、今回の大統領選挙が波乱含みだからです。

こんなときには、何があっても良いように、次の二つのことをやっておくことが必要です。

売買すべき銘柄の調査を終えておく


いざというときに、すぐにアクションを取れるように、目星をつけている銘柄の基礎調査を終えておくことです。

たぶん、来週は何が起きても不思議ではないので、時差を考えると、日本時間の9月8日(火)の夕方までには、こうした基礎調査を終えておく必要があるでしょう。

取引の手順を事前に確認しておく


基本的なことですが、取引に慣れないうちは、事前に必要なドル現金を用意しておくことや、取引の手順を事前に確認しておくことなど、オペレーショナルな準備を事前に確認しておくことも大切です。

テキパキと取引を済ませなければならないときに、手順でまごつくと、焦りやイライラが生じ、それが取引に悪影響を与えます。そのため、基本的な足元の手順を事前に確認しておくことは意外と大切です。

また、市場を注視するという意味では、相場が節目を迎えているときは、土曜の朝は早起きして、NY時間のクロージングを見届けるといったことは保険の一つになるかもしれません。

あまりピリピリする必要はないのですが、あとで後悔することのないように、できることは全てやっておきたいものです。

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