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カマラ・ハリス副大統領候補 強みと弱点まとめ

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カマラ・ハリス氏が、きのう民主党の全国党大会で正式に副大統領候補に指名されました。

今月11日に、バイデン候補が彼女を自身のランニングメイトとして発表してから10日が経ち、カマラ・ハリス氏に関する様々な情報、憶測もたくさん出てきたので、ここで改めて彼女の強みと弱みをまとめたいと思います。

カマラ・ハリス氏の強み

米国の多様性を体現

カマラ・ハリス氏は、父親がジャマイカ出身、母親がインド出身、配偶者はユダヤ人ということで、米国の多様性を身を持って体現するような人物です。

この点は、白人のバイデン氏と組み合わせも良く、選挙対策と政権運営の双方でプラスに働くものと思われます。

人権の専門家

元検察官で、上院で閣僚を追求する様子などを見ると怖いイメージがありますが、これまでのキャリアでは一貫して、社会的弱者の人権を国の立場から擁護する仕事をしてきました。

この点は、トランプ政権に怒りを燃やしている黒人やラティーノから大きな期待を寄せられることになると思います。

米国の再統合への期待

いま米国は分断しています。シカゴやシアトルのような大都市で火炎瓶が投げられたり、店舗が襲撃されたり、とても先進国の光景とは思えない事態が全米各地で展開しています。

そのため、カマラ・ハリス氏の過去の実績と、今後への期待を突き詰めて考えると、彼女に託された最大のミッションは、このように傷めつけられてバラバラになった米国を修復して、再統合を図ることだということが分かります。

この点は、あまり前面に押し出すと、大統領候補のバイデン氏を食ってしまうので、痛し痒しのところがありますが、民主党が戦略的に利用すべき彼女の最大の強みです。

カマラ・ハリス氏の弱み

エリート感を拭えず

先述の通り、カマラ・ハリス氏の父親はジャマイカ出身、母親はインド出身なのですが、二人とも大学教授、研究者というエリートであり、彼女自身も、サンフランシスコの地方検事、カリフォルニア州の州司法長官、上院議員とエリート街道をまっしぐらに駆け上がったピカピカの経歴を持っています。

優秀であることは良いことなのですが、貧困層の叩き上げでない点が、トランプを支持しているプアホワイト、ラストベルト(旧工業地帯)の住民から見ると、自分と真逆のアイデンティティの持ち主だということになり、最初から敵対視されてしまう恐れがあります。これは、前大統領のオバマ氏も抱えていた問題でした。

経済問題への対応が未知数

いま米国人の目下の最大の関心事項は、経済問題です。新型コロナで失業率も最悪の状態にあります。

しかしながら、カマラ・ハリス氏の経歴を見ると、この問題に対して何ができるかということが具体的に見えてきません。何もしてこなかったということでなく、単に仕事上の接点がなかっただけなのですが、ここはバイデン氏も実績がない分野なので、選挙戦略的には不利に作用するものと思われます。

GAFAに強く当たれない

目下のところ、米議会は、GAFAのようなテクノロジー企業が独占禁止法に抵触しているのではないかということで、経営者を聴聞会に呼ぶなど、圧力を強めています。

カマラ・ハリス氏は、カリフォルニア州選出の上院議員で、GAFAから多額の政治献金を受け取っており、彼らと親密な関係にあると言われています。

シリコンバレーで、次々と活きの良いスタートアップ企業が誕生することは、米国の競争優位性を維持する上で不可欠であり、今後、民主党政権が誕生した場合、この問題が議会との摩擦を生む可能性があります。

カマラ・ハリス氏に寄せられる期待

強み、弱みと色々ある中で、彼女に寄せられる最も大きな期待は、やはり米国の再統合を成し遂げてほしいということではないかと思います。

ただそのためには、トランプを支持している保守派の白人層、とくに白人貧困層とも同じビジョンを共有する必要があります。

トランプ氏は、日本から見るとただの奇人ですが、ビジネスで培った人心掌握術に長けた人であり、いまだに「岩盤支持層」と呼ばれる熱狂的な支持者がいます。

そして、この人たちは、トランプ個人を支持していると言うよりも、10年前から議会にも浸透してきた「ティーパーティー」と呼ばれる新保守主義の支持者とも重なり合っており、政界、ひいては米国全土でも一大勢力を成すようになっています。

この人たちは、地方に住む白人の中流未満の人たちが多く、米国があまりに移民や有色人種に寛容な政策をとってきたために、自分は割りを食ってきたという不満を溜めています。

一言で言えば、彼らはオバマ政権下のリベラルな政策で鬱憤を溜め、トランプ政権を実現した人たちなので、カマラ・ハリスのような「黒人エリート」とは、最初から融和する気持ちがありません。

そのため、米国の再統合には、こういう人も包摂して米国を一つにまとめていかなければならず、そのために最も効果があるのは、彼らの失業率の改善です。

現在、この点が具体的に見えてきませんが、この課題にいかに道筋をつけるかが民主党政権の誕生、さらには米国の再統合の行方を左右すると言っても過言ではないと思います。

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