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米中関係、競争から冷戦へ

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米政府が、テキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を要請しました。

これは中国政府が公表したもので、米政府は理由を明らかにしていませんが、21日に米政府は、新型コロナウイルスの研究を行っている米企業から機密情報を盗んだという容疑で、2名の中国人を起訴しています。

このことから、大体の事情は見当がつきます。

中国総領事館の中庭では、書類を焼く煙が上がり、地元消防局が出動して、ちょっと騒ぎになったようです。

今回の出来事が示すことは、米中のテクノロジーに関する競争が、米中冷戦と形容できる明瞭な敵対関係に変質したことが明らかになったということです。

報道における言葉遣いを見ても、先月くらいまでは、米中冷戦という言葉を使うメディアは少なく、この言葉を使ってもカギカッコ付きで使うケースが多かったように見受けました。

しかし、この1-2週間では、特に断り書きもなく、米中冷戦という言葉をふつうに使うメディアが増えたように思います。

今後しばらく、互いに外交官を追放し合ったり、在外公館の閉鎖を要請し合う報復合戦が続くのではないかと思います。

他方、米国では、エスパー国防長官が年内の訪中を模索しているという報道もあり、火花を散らしながらも、水面下では実務レベルのパイプを繋いでおく外交努力の形跡も見られます。

米中冷戦は、お互いに軍事大国で核保有国であることから、軍事衝突に発展する可能性は極めて低いですが、長期にわたって世界経済に多大な影響を及ぼすことになるものと思われます。

米国企業も、今後は中国無しでやっていく前提で、取引先の大幅な見直しを迫られるところも多くなっていくでしょう。

そのため、米国株だけに投資している場合も、投資先の見直しなどが必要になってくることもあると思います。

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