米国では、新型コロナ救済法案が、連邦議会の与野党対立で採択できずにいますが、先週末にトランプが大統領令を発布して、状況打開を試みました。
法案の目玉は、失業給付金の上乗せ金の継続で、これが7月末で失効して宙に浮いていたわけですが、トランプ氏はこれを継続する大統領令に署名したのです、
民主党が上乗せ分を週600ドルの据え置き、共和党が週200ドルへの減額をそれぞれ主張して決裂していたわけですが、トランプ大統領は週400ドルと単純に真ん中をとって漁夫の利をさらおうとしました。
実際の給付金の支出には、議会の承認が必要なので、まだこの分は給付に至っていません。
さらに民主党は、今回の大統領令は違憲だとして訴訟も考えているようです。
しかし、与野党が対立しているところに、無理やり大統領令をねじ込んできたのは、スタンドプレーとは言え、トランプ氏が国民のことを忘れていないという政治的メッセージを放つ効果はありました。
また、週明けの市場は、このトランプ氏の「スタンドプレー」を好感し、ダウは2月以来の高値を付けました。見識がたびたび疑われるトランプ氏ですが、ビジネスで鍛え上げた対人センスは衰えていないのかもしれません。