Wall Street Journalによると、Twitter社が、TikTokを買収するための予備交渉を開始したようです。Twitter社は、買収の目的として、両者のサービスの「一体化」を目指したいと言っています。
ただ、買収交渉ではマイクロソフトがはるかに先行しており、さらにマイクロソフトとTwitterを比べると資金力がぜんぜん違うので、マイクロソフトが有利との観測が強いようです。この買収劇の行方はどうなるのでしょうか。
プラットフォームとして相性の良いTwitterとTikTok
ただ、マイクロソフトが一見有利に見えるものの、よく考えると、マイクロソフトがTikTokを買収した後の未来像と、TwitterがTikTokを買収してサービスを一体化した後の未来像を比較すると、Twitterのケースの方がはるかに具体的なイメージを描きやすく、ユーザー受けしそうな感じがします。
Twitterは短いテキスト、TikTokは短い動画ということで相性がよく、今までもTwitterとtiktokは、アカウントを相互連携して、TikTokの動画をTwitterに貼って拡散するということが、ごくふつうにユーザー間で行われています。
お互いコンテンツがごく少量なので、直感で物事を判断するネットユーザーのマインドセットに合っており、この「量が少ない」という点は、今後もビジネス系、エンタメ系、両方のユーザーに重宝がられると思います。
マイクロソフトも想像を超えるサービスを提供する可能性
マイクロソフトは、おそらく若年層向けのSNSがほしい、若年層のユーザーデータがほしいという理由でTikTokを買収したいのだと思いますが、ユーザー視点から見ると、TikTokを買収して、何がしたいのか具体的なイメージが湧かないところがあります。これに関する広報もありません。
ただ、クラウドサービス、Azureの台頭を見ても分かる通り、マイクロソフトは底力のある巨大企業なので、いま将来像が見えなくても、これを一般の想像力を超えるすごいプラットフォームに生まれ変わらせる力は持っていると思います。
また、米政府に基幹サービスを提供したり、中国共産党指導部にパイプがあるなど、隠然たる政治力もあるので、力技でディールを妥結に持っていく力も持っていると思います。
いずれにしてもTikTokの買収交渉はますます目が離せなくなってきました。