ニュース解説

米大統領選と米国株投資の展望

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米大統領選挙まで100日を切りました。きょうは、大統領選挙の動向と、今後の米国株投資の展望について、考えてみたいと思います。

トランプ氏に不利な条件が揃ってきた

今回の大統領選挙は、11月3日に予定されています。日が迫るにつれて、トランプ氏に不利な状況が少しずつ揃ってきました。

もちろん結果を断定できる段階にありませんが、トランプ氏にとって状況が悪化した原因は次の2点です。

不況への突入

大統領選挙は、基本的に現職が勝つ確率が高いのですが、不況のときは現職が負ける傾向にあります。具体的には、1980年のジミー・カーター氏の敗北と、1992年のジョージ・H・Wブッシュ氏(父)の敗北のときがそうでした。失業や企業業績の不振に対する不満が、現職にぶつけられるからなのかもしれません。

先月、米国の景気循環を判定するシンクタンク、全米経済研究所(NBER)が、今年2月から米国が景気後退のサイクルに入っていたことを正式に判定しました。明らかに新型コロナの影響で、これはトランプにとって不運なことでした。

国内暴動の拡大

今年5月、ミネソタ州で黒人の容疑者が、白人の警官に首を圧迫されて命を落とした事件をきっかけに、全米に人種差別反対デモが拡大しました。

このデモは当初、純粋な人種差別反対デモだったのですが、徐々に反政府デモ、反トランプ・デモのような様相を呈してきて、沈静化のメドが立たなくなりました。こうなった一因は、トランプ氏が、デモが全国に広がる中、人種差別的とも受け取れるツイートをしたことがきっかけとされており、トランプ氏の統治能力の無さを有権者に印象づける結果となっています。

バイデン政権誕生で脚光を浴びる投資セクター

このようにトランプ氏に不利な風が吹いていることから、11月には民主党のバイデン政権が誕生する可能性が高まってきました。政権交代ということで、政策面の転換も予想されます。

その中で政策転換の目玉の一つになると考えられているのが気候変動対策で、これにより、再生可能エネルギー関連株が相場の大きなテーマになることが予想されます。

気候変動については、以前の投稿「気候変動、地球温暖化 ―新型コロナで隠れた投資テーマ―」で詳しく書いたので、ここでは割愛しますが、民主党はもとより気候変動対策に積極的で、バイデン氏自身も、当選した場合は、トランプ氏が離脱した気候変動のパリ協定に直ちに復帰することを表明しています。

ですから、いまから予習をしておくべきことは、気候変動、地球温暖化などの基礎、再生可能エネルギーの基礎、そして関連する個別銘柄のポテンシャルになります。

具体的には、テスラ(TSLA)ニコラ(NKLA)といった電気自動車、水素自動車、プラグパワー(PLUG)などの燃料電池、ブルックフィールド・リニューアブル・エナジー・パートナーズ(BEP)などのインフラ関連株が、検討の対象に入ってくるでしょう。

再生可能エネルギーは専門性が高く、難解な要素もあるので、私はいまから勉強を始めようと思っています。

警戒すべきポイント

このように、今からやるべきことは山積しているのですが、私が懸念しているのは、もしバイデン氏が僅差で勝った場合、トランプ氏が負けを認めず、全米を二つに引き裂くような混乱が生じるのではないかということです。

実は、大統領選が僅差になり、簡単に決着がつかずに揉めるということは珍しいことではありません。20年前に、当時の共和党候補、ジョージ・ブッシュ氏(子)と民主党のアル・ゴア氏が対決したときがそうでした。

このときは、大票田のフロリダ州で得票数の数え直しをやり、最高裁にまで問題が持ち込まれたのですが、アル・ゴア氏が国内の融和と一致を優先して身を引いたため、国内が二つに引き裂かれるような事態は避けることができました。

しかし今回は、トランプという人が、そもそも国内の融合や安定に関心がなく、自分の欲求を追求することに最大の関心を寄せる傾向があるので、民主党支持者の多くが不安を感じています。

さらに20年前にはなかった問題として、ロシアや中国がサイバー攻撃を通じて、あえてトランプ氏を支援して、米国の混乱に拍車をかけることを本気で狙っているということがあります。

開発途上国や紛争国では、選挙後に選挙結果をめぐって揉め事が起き、いつまで経っても大統領や首相が決まらず、国内がカオスに陥ることが時々ありますが、同じことが米国で起きることが本気で心配されているということです。

投資家の中には、トランプの続投を心配する人や、ウォール街に受けの悪い民主党政権が誕生することを心配する人もいますが、最大のリスクは、選挙結果が決着せずに国内が混乱に陥ることです。

そして、諸事情を考えると、このリスクは決しておとぎ話ではなく、現実的なものとして心積もりをしておく必要があるのではないかと思っています。

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