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気候変動、地球温暖化 ―新型コロナで隠れた投資テーマ―

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気候変動は経済問題

気候変動は、トランプ大統領がパリ協定から離脱し、新型コロナウイルスの問題が拡大したことから、社会問題として、多くの人々の記憶から消えつつあります。

しかし、後述のように、気候変動は大きな相場のテーマになる潜在力を秘めています。

最初に、気候変動とは何か説明します。

気候変動とは、地球全域で、気温、降雨量などの気象状況が、過去の平均値から大きく外れて変動することをいいます。豪雨やハリケーンの頻発など、近年の異常気象とも深い関係があるとも言われています。

気候変動の原因は、いわゆる地球温暖化にあるとされています。そして、地球温暖化は、経済活動によって排出される温室効果ガスによって引き起こされます。

そのため、気候変動は、環境問題であると同時に、経済問題でもあります。

気候変動、地球温暖化のメカニズム

さて、気候変動は地球温暖化が原因で、これは経済問題だと言いました。

そこで、地球温暖化とはどのような問題で、それがどのように起きるか説明します。

地球温暖化とは、地球全域の平均気温が少しずつ上昇していく現象をいいます。

この平均気温が少しずつ上っていくことによって、世界各地で気温や降雨量などの気象バランスが崩れ、異常気象が起きるわけです。ですから、猛暑などは地球温暖化そのもではなく、温暖化によって引き起こされる異常気象の一つです。

そして地球温暖化は、二酸化炭素や窒素など、熱を放出しにくい気体、いわゆる温室効果ガスの排出が増え、その比率が大気中で上がることによって進行します。

そして、二酸化炭素や窒素のような温室効果ガスを最も多く排出するのが、化石燃料を燃やす火力発電所、自動車、工場なわけで、ここに地球温暖化、ひいては気候変動が、経済問題であると指摘される由縁があります。

つまり、ふつうに温室効果ガスの削減をやろうとすれば、産業界から猛烈な反対が起きるわけで、いかに生産高を落とさずに、温室効果ガスを減らすかが議論の焦点になるわけです。

温室効果ガスの削減は、コロナ対策と似ていて、一国が頑張っても効果が出ません。ウイルスと同様に、大気も国境を超えて動きますので、世界中のすべての国が一緒に頑張って初めて成果が出ます。

ですから、気候変動を解決するには、非常に大きな腕力、政治力が求められます。

今後の見通し

このような事情があるため、気候変動問題の取り組みには、超大国のリーダーの関与が不可欠です。

しかし、トランプ氏は、気候変動に無関心だったため、世界規模の取り組みを決めたパリ協定からも離脱しました。ただ、今度の大統領選の対抗馬、民主党のバイデン氏は気候変動に関心が高く、パリ協定への復帰を目指しています。

そのため、もしバイデン氏が勝利し、新型コロナの問題が小康状態になれば、気候変動が再び政策の焦点になる可能性があります。

そうなると、産業界も生産高を落とさずに、温室効果ガスを抑制することに本気で取り組まざるをえなくなります。

そして、ここには新しいテクノロジーの開発など、新たな商機がたくさん生まれます。つまり、気候変動が、相場の大きなテーマになる可能性があるのです。

気候変動は、たしかに環境問題として、倫理的な観点から推進される側面もあります。しかし、異常気象などを通じて社会に大きな経済的なダメージを与えるので、経済的な観点から推進される機会も多くなっています。

私は、ここに気候変動が大きな相場のテーマになる可能性を見出しています。

気候変動が相場のテーマになれば、今まで以上に、温室効果ガスをたくさん出すセクターや銘柄はガタガタになり、これを減らすセクターや銘柄は高騰する可能性があります。

分かりやすいところ言えば、電気自動車や再生可能エネルギー関連株などが、その代表格といえるでしょう。

投資の観点から考えると、気候変動、地球温暖化は、大きな長期の相場のテーマになる潜在力を秘めています。今からいろんなことを考えておくと、面白いのではないかと思います。

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