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ニュースサマリー:ワクチン開発競争、ハイテク銘柄、最高裁判事

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ワクチン開発競争

ワクチン開発競争に動きがありました。先日より、アストラゼネカ(AZN)の第3相臨床試験が副作用の発生で止まっている報道が出ていましたが、これに続き昨日、ジョンソン・アンド・ジョンソン(JNJ)でも臨床試験中に副作用が確認され、試験が停止されました。

この事態を受け、昨晩は、アストラゼネカとジョンソン・アンド・ジョンソンが下げ、バイオンテックとモデルナが上がりました。今のところ、バイオンテック(BNTX)モデルナ(MRNA)の臨床試験は順調に進んでいます。

アストラゼネカとジョンソン・アンド・ジョンソンは、アデノ・ウイルスベクターを利用した作用機序で、こちらはウイルスの要素を体内に入れます。他方、バイオンテックとモデルナはメッセンジャーRNA(mRNA)を利用した作用機序で、こちらはウイルスの要素を体内に入れません。おそらく、このあたりに問題の原因がある可能性があります。

なお、上記のうち、エマージェント(EBS)は、ワクチンの開発会社ではなく、製造会社ですが、アストラゼネカ、ジョンソン・アンド・ジョンソンと製造契約を結んでいます。

ハイテク銘柄

今週に入り、ハイテク銘柄が暴騰しています。先週はGAFA解体論などがあり、低調でしたが、今週は概ね好調です。

ただ、アップル(AAPL)だけは昨晩3%近く下げました。昨晩は、iPhone12のオンライン発表会があったのですが、そのイベント中にガンガン下げました。

しかし、よく調べると、新製品の発表会では毎回そういうパターンになるようです。おそらく利確で売る人が増えるからでしょうか。いずれにしても長期的に問題がないことは確かです。このほか、ソフトウェア系の企業も概ね好調です。

最高裁人事

今月上旬には、トランプ大統領とともに、最高裁人事を審議する上院司法委員会の議員二名が新型コロナに感染したため、開催が危ぶまれていましたが、予定通り、今週月曜から、最高裁判事候補のエイミー・コニー・バレット氏の公聴会が開かれています。

有料記事なので引用は差し控えますが、WSJなどを見る限り、非常に上手に対応しており、この人は承認されるのではないかという気がします。

過去には、揉めに揉めた最高裁人事もありましたが、ほぼ全てセクハラ関係のスキャンダルが原因だったので、逆性差別的な発言かもしれませんが、この人は女性であり、保守的なクリスチャンでもあるので、そういう心配はないように感じます。

受け答えが非常に慎重で、引っ掛け問題のような質問にも、スマートに答えているので、そういう政治的な謀略にも強い人なのだという印象も受けました。

この人が承認されれば、最高裁は保守6名、リベラル3名という構成になり、おそらく今後20年にわたって最高裁は保守に傾斜した判決を下し、少しずつ米国の国の姿を変えていくと思います。

しかし、私は個人的に、これはこれで良いことだと思っています。理由は、米国株をやっている限り、米国が保守に寄っていることは、米国の経済と金融市場にとってプラスだと思うからです。

また、具体的な話では、近いうちに現実のものになるかもしれないGAFA解体における反トラスト法の適用についても、リベラルの方が厳しい考え方をするので、その意味でも保守寄りの方が好ましいと思っています。

ただ、気になるのは保守派は一般論として、移民政策に厳しい点です、

米国は移民でできた人工国家であり、移民は米国の力の源泉です。移民政策については、あまり厳しい政策を取ると、中長期的に米国経済のパワーを削ぎ落とすので、ぜひとも長期的・巨視的な視点で法律の適用を考えてほしいと思っています。

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