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不透明感MAXの中、決算シーズンに突入 何があっても揺るがない売買ルールとは?

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今月は今のところ、米国の株式市場に激しい動きはありませんが、何かと不透明感が増す中、決算シーズンに突入しました。こうした混迷の時期には、取引の判断に悩まされることが多く、何があっても揺るがない売買ルールがほしくなります。

何があっても揺るがない売買ルール

株式取引の売買ルールには、ファンダメンタルズ分析、テクニカル分析に基づく様々なものがありますが、私は紆余曲折の末に、決算結果に従って機械的に売買する方法が、最もシンプルで合理性が高く、現在のような不透明感の高い時期においても判断に迷わされると思い、これを採用しています。

その方法は、先日の投稿でも触れた通り、決算発表時に、「EPS(一株当たり利益)、売上高、ガイダンスがすべて、事前コンセンサス(予測)を上回っていれば買い、一つでも下回っていたら売り」というものです。

そして、これに加えて、「営業キャッシュフローが、純利益よりも大きく、なおかつ年々増えていることを確認すること」を副次的なルールとして設定しています。

この2つのポイントだけです。

株式投資においては、いろいろなことに考えを巡らせて、予想を立てたりすることがあるわけですが、多くの場合、その予想はすでに株価に織り込まれており、もはや株価を動かす要因にはならないことが多いです。つまり、時間をかけてあれこれ分析したり、予想を立てることが結局ムダに終わってしまうことも結構あります。

では、何が株価を動かす要因になるのかと言うと、それはまだ株価に織り込まれていない要素で、ほとんどの人がまだ把握していない隠れた要素です。そしてそれは、多くの場合、決算発表時の数字の中に突然現れます。

つまり、決算の数値が予想値を上回った場合、それは隠れていた良い要素が突然に表に出てきたことを意味します。そのため、世界中の機関投資家がすぐにその株式を買い進め、株価も上昇し始めます。

逆に、決算の数値が予想値を下回った場合、それは隠れていた悪い要素が突然に表に出てきたことを意味します。そのため、機関投資家はすぐにその株式を売り払い、株価も下落し始めます。

このように、決算発表では、それまで隠れていた要素が急に表に出てくるので、世界中の機関投資家を一気に突き動かし、それに伴って株価に上昇、もしくは下落のトレンドを発生させるのです。

そのため、一般投資家としては、この波に素直に乗るのが、利益を出したり、損失を最小にする上で最も確実性が高いということになります。

もちろん、自分で予想を立てて、それに従って取引をするのという方法も良いと思います。ただ、その自分の予想が、すでに市場に織り込まれていたら、それはもはや株価の変動要因になりません。

この方法の最大の利点は、自分で予想をしなくて良いところにあります。そのため、現在のような不透明感の強い時期には、特に強みを発揮してくれていると感じます。

先を見通すのが難しい理由 3つの「分からない」問題

いまこの時期に、先行き不透明感があるのは、なぜなのでしょうか。それは、次のような未知の要素を多分に含んだイベントが、いくつか目の前に横たわっているからだと思います。これらのイベントの特徴は、プロでもその先行きが「分からない」点にあります。

米大統領選の行方が「分からない」

ただでも、米大統領選挙の直前には、市場動向を読むのが難しくなります。米大統領選の際には、大統領だけでなく、上院の3分の1、下院の全議席が改選になるので、選挙結果によっては財政政策が劇的に変わる可能性があり、この点も問題を複雑にしています。

そして、これだけの不確定要素があるのに加えて、今回はトランプ氏のような異質なタイプの人が大統領候補者として立っていることが、さらに先を読むのを難しくしています。

今のところ、バイデン氏が10ポイント以上の差を付けて優勢と言われていますが、4年前も似たような状況で、CNN、ニューヨーク・タイムズのような大手メディアが軒並み予測を外しました。そのため、世論調査は当てにせず、結果は最後まで「分からない」と割り切っておいた方が安全だと思っています。

新型コロナウイルスの実態がよく「分からない」

新型コロナ問題は、感染者数や死者数の増減に応じて、感染リスクが実体経済に悪影響を与え、人々の消費・貯蓄パターンを変化させています。またこれに加えて、ワクチンや治療薬の開発状況が、社会に期待や失望を交互に与えています。

感染状況については、北半球では夏場に一旦状況が落ち着きましたが、現在、欧州は急増、米国も増加傾向にあり(下図参照)、事態が緊迫してきています。

一日あたりの新規感染者数(百万人当りの平均) 出所:New York Times

そして、新型コロナ問題の最大の問題点は、ワクチンがない、治療薬が普及していないということに加え、ウイルスと疾患の実態が、まだよく「分からない」という点にあります。

具体的な一例を挙げると、新型コロナは通常のインフルエンザに比べて深刻だという見解と、深刻でないという見解がありますが、そんなことはまだ「分からない」というのが現時点での正解です。このあたりを解明する上での統計データが、まだ十分に揃っていないのです。

そして、こうした問題が原因で、疾病蔓延と経済復興のリスクのバランスを取りにくくなっており、社会的な混乱と経済の悪化に拍車をかけています。

特殊なマクロ経済の行方が「分からない」

春先以降、FRBは積極的に量的緩和を実施しており(下図参照)、政府も財政支援策を実施しています。そのため、とくに前者の施策による資金が株式市場になだれ込み、実体経済が大きく毀損するなかで、不自然なほどに勢いの強い金融相場が生じています。

FRBの資産状況  出所:セントルイス連邦準備銀行

このように、実体経済が激しいダメージを受けている中で、量的緩和と財政支援で経済活動を支え、金融市場を支えることについては、現代貨幣理論(MMT)にある論調のように、何の問題もない、もっとやった方がいいという意見もあります。

しかし、このように人為的に経済活動を支えることには必ず副作用が生じ、いずれその弊害が実体経済と金融市場に及ぶという従来のオーソドックスな見方もあり、ここは専門家の間でも意見が分かれています。つまり端的に言えば、ここにも未知の要素があるということです。

いつか突然暴落が来るかもしれないし、来ないかもしれません。また、暴落だけですまないほどの大きな問題が経済全体を襲うかもしれませんし、全く何もないかもしれません。そこは、本当に「分からない」のです。

今後の決算発表スケジュール

このような混迷の時期ですが、決算発表が怒涛のように控えています。そのうちの一部のスケジュールを下記に列挙します。日時はいずれも現地時間、現時点での予定です。

2020/10/19 16:00 IBM アイビーエム

2020/10/20 7:00 PG プロクター・アンド・ギャンブル

2020/10/20 8:00 LMT ロッキード・マーチン

2020/10/20 9:00 PM フィリップ・モリス

2020/10/20 16:00 NFLX ネットフリックス

2020/10/21 7:00 VZ ベライゾン

2020/10/21 8:00 NEE ネクステラ・エナジー

2020/10/21 17:00 TSLA テスラ

2020/10/22 7:00 KO コカコーラ

2020/10/22 14:00 FCX フリーポートマクモラン

2020/10/22 16:00 AMZN アマゾン

2020/10/22 16:00 GILD ギリアド・サイエンシズ

2020/10/22 16:00 INTC インテル

2020/10/22 16:00 T エー・ティー・アンド・ティー

2020/10/22 16:00 VRSN ベリサイン

2020/10/22 17:00 FE ファーストエナジー

2020/10/23 16:00 AXP アメリカン・エキスプレス

2020/10/27 7:00 LLY イーライリリー

2020/10/27 7:00 MRK メルク

2020/10/27 8:00 CAT キャタピラー

2020/10/27 9:00 PFE ファイザー

2020/10/27 14:00 MMM スリーエム

2020/10/27 16:00 AMD アドバンスト・マイクロ・デバイシズ

2020/10/27 16:00 MSFT マイクロソフト

2020/10/28 8:00 GE ゼネラル・エレクトリック

2020/10/28 8:00 MA マスターカード

2020/10/28 9:00 C シティグループ

2020/10/28 16:00 AMGN アムジェン

2020/10/28 16:00 GSK グラクソスミスクライン

2020/10/28 16:00 V ビザ

2020/10/28 17:00 F フォード・モーター

この混迷の時期、自分の知らないことには積極的に心を開きつつも、手元のところでは、先ほどの売買ルールを厳格に守って取引していきたいと考えています。

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