株式投資 第4版 (日本語) 単行本 – 2009/7/23
投資には、柔軟性と、固い信念の両方が必要だということをいつも思わされます。
柔軟性というのは、市場は常に正しいので、市場を自分の考えに引き寄せて分析するのではなく、自分を市場に引き寄せて分析すべきだということです。
これは、個別の銘柄の値動きや、国・地域のマクロ経済の状態を見る上で大切です。
他方、固い信念というのは、「自分はこれだけのリスクが取れるから、このアセットクラスの組み合わせで行く」とか、投資方針が具体的根拠に基づいていてブレないということです。
これは、自分の投資方針を決定する上で大切です。
本書は、後者の「自分の投資方針」を固める上でとても有益な本です。
というか、株式投資への信念を固め、ハラを決める上で有益な本です。
具体的に言えば、株式投資をやるかどうか迷っている人が、それを実行に移す上で有益な本とも言えます。
また、現在、株式投資をやっている人が、暴落に直面したときに、感情的になって投げ売りしないようにする上で有益な本とも言えます。
本書の要点を一言で言えと言われたら、株式投資は、長期スパンでは、あらゆる金融商品の中で、最もリターンが高く、リスクが低いことを実証しているということです。
しかも、この点を実証するために引用しているデータ量がすごいです。一つのことを説明するために、いちいち時間軸の違う複数のデータを引用して、多角的に証拠固めをしています。
そういう意味で、この本の内容をきちんと咀嚼し、内容を深く理解していれば、どんなことがあっても株式投資への信頼が揺らぐことはないでしょう。
また、本書は後半で、インデックス投資の普遍的な優位性についても触れています。パッシブ運用は手数料が安いので、アクティブ運用にほぼ確実に勝利できるということです。
その点では、『ウォール街のランダム・ウォーカー』のような本と立場が近いです。
とにかくデータが多く、具体性があるので、株式投資やインデックス投資に同調的な人も、批判的な人も、読めば必ず得るものが多いと思います。
名著としての評判にふさわしい内容でした。今後も繰り返し読んでみたいと思います。
株式投資 第4版 (日本語) 単行本 – 2009/7/23