日記

新興国株に未来はあるか

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新興国ブームが去ってから10年近く経ちますが、もはや新興国株式は投資の対象にはならないのでしょうか。きょうは、新興国株式の限界と可能性について考えてみたいと思います。

新興国株ブームに乗りそこなった悔い

その昔、新興国株式投資ブームというものがありました、BRICSといった表現がもてはやされて、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカなどへの投資が注目されました。

私も、株式投資の勉強を始めた頃は、まだブームが終わっていなくて、けっこう熱い思いで、新興国ETFなどを真剣に検討したものです。

とくに私は90年代に途上国や紛争国で仕事をしていた関係上、こうした国々に個人的な強い思い入れがありました。

しかし、いろいろ調査をしているうちに、あっという間にブームは終わり、新興国株投資の機会を逃してしまいました。

新興国株の何が問題なのか

あれから10年あまり経ち、もはや新興国株式への投資を熱心に取り上げる人もほとんどいなくなりました。

また、実際に大半の新興国は、成長率の鈍化に悩んでおり、かつての輝きを失っています。株価のチャートを見ても、低迷しながら、ダラダラとした横ばい傾向にあり、勢いがありません。

そして個人的にも、勉強をすすめるうちに、新興国株への投資は現実的には厳しいという思いが強くなっています。理由は以下の2点です。

第一には、新興国の経済や株価は、先進国の経済と株価、特に米国のそれと密接にリンケージしており、固有の動きをしない傾向にあるということです。

それであれば、あえて情報が少なく、リスクが高い新興国株に投資する必然性はないのではないかということです。

私がこの思いを強めたのは、2013年12月に米国FRBが量的緩和の削減(テーパリング)を始めたとき、米国の金利高が観測されて、新興国にあった米ドルが一気に米国に還流して、新興国経済が力を失い、株価が落ち込んだときでした。

リーマンショックにつられて落ち込んだのは仕方ないと思いましたが、米国の金融政策の転換に、新興国がモロに影響を受けたのには強い印象を受けました。

結局、先進国、米国頼みだったのだなということです。

第二には、新興国には独裁国家が多く、独裁政の国は、長期的には経済的にダメだという点です。この点を掘り下げるには中国を避けて通れませんが、私は中国の先行きを悲観しています。

中国に関しては、2030年頃にはGDPが米国を抜き、世界一になり、中国が世界覇権を握るのではないかといった話をよく聞きます。

しかし私は、仮に中国が世界一のGDPを達成しても、米中それぞれの友好国から構成される経済圏として捉えると、中国経済圏が、米国経済圏より大きくなれる可能性はないし、勝負に勝てる見込みもないと思っています。

簡単に言えば、東西冷戦と同じ末路をたどると思います。

中国は、米国と何とかうまく付き合っていく選択肢もあったのですが、ここ一年で、対決というか、米国と敵対する選択肢を選んでしまいました。これは、本当に残念な選択だったと思っています。

私は、かつて実際に、独裁国家といわれる国で仕事をしていたことがあるのですが、本当に一般市民は萎縮して、ビクビクしながら暮らしていました。

そして、政府には汚職が蔓延し、一般市民には生活上の自由がないので、市民の士気は一様に低く、生き生きと仕事をするような覇気がありませんでした。

むしろ、どうやって政府とコネを作るかといった、どうしようもないことに神経を集中させながら生活をしています。

そんなわけでは、私はこういう国では、まず政治的な自由を保証しないと、とても経済的な発展など見込めないと感じました。

いくぶん個人的な話ではありますが、そういうわけで、私は実体験からも、民主主義と市場経済の両方がセットで根付いていることが、持続的な経済発展の必須条件だと考えるようになりました。

ちょっと長くなりましたが、新興国には、独裁的な国が多く、こういう国は、たとえ短期的に何とかなっても、長期的には希望がなく、投資対象にならないという結論になります。

それでも目を離せない新興国株

先に書いたとおり、私は途上国や紛争国での生活体験があるため、個人的に新興国と呼ばれる国々に深い思い入れがあります。

おそらく、こういう個人的な思い入れは投資判断を曇らせるので、邪魔にしかならないかもしれません。

でも、ブームが去った今、新興国を専門に扱う人はそう多くはないし、さらに新興国の投資情報には、常に一定の需要があります。

ですので、私としては今後も新興国投資の勉強は続け、機会があれば、ぜひ自己資金を投入し、その結果をここで共有してみたいと思っています。

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