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トランプ大統領、敗北の場合は権限移譲しない可能性に言及

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トランプ大統領は、選挙で自分が敗北した場合は、平和的に権限移譲しない可能性に触れ、選挙結果は最高裁で争われることになるだろうと述べました。

これまで予想されてきたこととは言え、11月の選挙後に大統領が決まらず、米国が混乱に陥る可能性が現実のものとなってきました。米国株投資も、この点を含んで今後を考えていく必要があります。

「選挙結果は最高裁が決める」

上掲の昨日のトランプ大統領の記者会見での発言要旨は下記のとおりです。

  1. 大統領選は、民主党が主張する郵便投票によって、不正が行われる可能性が高い。
  2. だから大統領選の結果は、最高裁が決めることになるだろう。
  3. だから選挙前に、新判事を任命することが大切だ。

1の郵便投票については、米大統領選挙には郵便でも投票できる制度があり、これを利用する人は高齢者や身障者など、民主党支持層が多いということで、トランプ氏は積極的な導入に強く反対してきました。しかし、専門家の多くは、郵便投票がいずれかの政党だけに有利に働く点を否定しています。

2の最高裁が大統領選の結果を判断することには前例があり、2000年の大統領選でジョージ・ブッシュ候補(子)とアル・ゴア氏が対決した際には、あまりの僅差に票の数え直しが行われ、最終的に最高裁が介入して選挙結果を裁定したことがありました。そのため、選挙結果を最高裁が判定すること自体は合法です。事前にこのように言うことが異常だということです。

3の最高裁判事の人事も、共和党の保守本流は、米国を保守国家にしたいという政策理念に基づき、今回の人事を急いでいるのですが、トランプ氏は非常に低次元でこの問題を捉えていることが分かります。

本当に子供のような考え方ではありますが、世界最大の覇権国のリーダーが本気で実行に移そうとしていることであり、米国株投資家としては、今後のインパクトを考えざるを得ません。

「平和的な権限移譲は約束できない」

また、トランプ氏は上掲の別の記者会見で、自分が負けた場合は「平和的な権限移譲は約束できない」とも明言しており、選挙後に大統領が決まらず、国内が大混乱に陥る可能性が、いよいよ高くなってきました。

もし選挙後に大統領が決まらない場合、FRBは辛うじて政争から距離を保てますが、連邦議会は機能麻痺のような状態に陥る可能性もあり、深刻な経済的インパクトが生じることが予想されます。

米国株投資家としては、11月以降に米大統領が決まらず、国内が混乱状態に陥り、現在の保守とリベラルの分断と相まって、内乱に近い状態に発展する可能性も含んでおく必要があると思います。

純粋に米国株投資のパフォーマンスだけ考えたら共和党政権のほうが良いですし、4月頃まではトランプ再選の方が良いと思っていましたが、ちょっと限度を超えてしまった感じがします。

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