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レーバー・デーがやってきた!

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きょうは、米国の祝日、レーバー・デ―(勤労感謝の日)です。これまでも書いてきたとおり、きょうから始まるレーバー・デーの一週間は、例年、相場の基調が変わることで知られています(参考記事「レイバー・デー以降は要注意」)。

今年の注目ポイントは、新型コロナによる暴落で始まった3月以降の金融相場が終わってしまうかどうかです。

先週金曜日にはハイテク株が大きく下げ、また今年は11月初旬に大統領選挙も控えているので、いつも以上に相場に緊張感が漂っています。きょうは、とりあえずこの先の一週間をどう過ごせばよいか考えてみました。

今週一週間をまとめて見る

今回大事になるのは、もし相場の基調が変化する場合、それがどのように変わったのかということを正確に把握し、それに合わせて自分の投資を調整することです。

そして、相場の基調がどう変わったかを見極めるためには、大抵の場合、一日の変化だけを見ても判断できず、最低でも一週間、もしくはそれ以上の期間を要する場合があります。

とりあえず、今後一週間という枠で考えると、それは日本時間の明日火曜日の夜から土曜の明け方までになります。そして今週末に全体を振り返り、おさらいをする必要があります。

つまり今週一週間は、日々状況見つつ、今週末にいったん作戦会議をやるという感じです。

金利を見る

株式市場の基調の変化を読み取るためには、主要株価指数、気になる銘柄の株価だけでなく、長期金利の動向も見る必要があります。具体的には「10年物の米国債」の利回りです。

米国債10年物(出所 macrotrends)

長期金利は、株価と逆相関の関係にあるため、長期金利が跳ね上がれば、株価は下がるなど、株価は金利に敏感に反応して後追いします。そのため、長期金利は、株式市場の動向を探る上で、非常に重要なインディケイターになります。

参考までに、長期金利が株価と逆相関に動く理由は、まず経済の観点から言うと、金利が上がると、企業融資の金利が上がり、企業活動が消極的になり、売上が落ちることが予測されるので、それで株価が下がるという説明ができます。

また、投資家の観点から言うと、10年物国債などの債券は、株式と同じ金融商品ですが、債券は元本保証があり、相対的にローリスク、ローリターン、株式は元本保証なし、相対的にハイリスク、ハイリターンという違いがあります。

このように性質に違いがあるため、債券の金利が上がり、利回りが上昇すれば、投資家は、わざわざリスクを取って株式に投資するメリットが薄れるので、株を売って債券を買うようになり、結果的に株価が下がるわけです。

長期金利、すなわち10年物の米国債の利回りは、すぐ先の株価の動向を考える上で、大切な指標になります。

今後のシナリオ

さて、概要としては以上となりますが、今週末の作戦会議では、どのような結論になる可能性があるのでしょうか。そのへんの選択肢と対策も今から考えておきたいと思います。

注視の継続

もし基調が変化したという決定的なエビデンスが出ない場合、具体的に言えば、現在の金融相場が終わったという決定的なエビデンスが出ない場合は、引き続き状況を注視し続けることになります。

これをいつまで続けるかということですが、大統領選挙までと考えることができます。選挙結果が出れば、これが別の大きな相場の材料になるためです。

戦略の切り替え

もし基調が変化した場合、つまり、ここまでの金融相場が終わったと判断できる場合、二つのことを考えなければならなくなります。

一つは、必要な損切りをするということです。これは自分の生活防衛資金の総額との相談になりますが、もう上昇気流が存在しないとなったら、思い切ってポートフォリオの一部を損切りするというのも選択肢の一つになってくるでしょう。

もう一つは、攻めから守りに転じるということです。この方法は、さらに大きく二つに分かれ、1)インデックスのような長期保有の比率を増やす、2)個別株ならディフェンシブ株の比率を増やす、といった選択肢が考えられます。

インデックスであれば、VOOもしくはVTIなどがあります。先日、S&P500にテスラ(TSLA)が入らなかった件で、私はこの指標への長期的な信頼性に疑問を感じたので、私は個人的にVTIを考えています。

ディフェンシブ株は、ヘルスケア、小売がよいように考えています。新型コロナは、私たちの生活様式を不可逆的に変えてしまったところがあるので、保有している人には申し訳ないですが、運輸関係は当分は対象にならないと思っています。

また医薬品も、新型コロナの影響をどう受けるか分からないところがあります。エネルギー株は、選挙結果によって、上がるところと下がるところが変わってくるので、現時点では「ディフェンシブ」にならないと考えてます。

以上のように、相場を予想することは誰にもできませんから、私たちにできることは、アクションプランの選択肢を事前に用意しておき、直近の動きを注視しながら、それを適宜調整したり、実行するといったことになります。

ちょっと緊張を強いられますが、お互いに寝不足にならないように、米国株取引を楽しみたいものですね。

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